昔ながらのスタイルでヴィンテージな雰囲気がある74スプリンガー。
もともとはドラムブレーキしかなかった頃に作られていたパーツですが、今ではこの74スプリンガーにディスクブレーキをつけるのも珍しくありませんよね?
僕が昔乗っていたバイクも74スプリンガーにディスクブレーキの組み合わせだったんですが、
なぜかフロントブレーキをかけると、フォークが沈み込まないで前に引っ張られるような動きをしていました。
これは現在のバイクで主流のテレスコピックフォークにあてはめて考えてみても明らかにおかしな動きをしているのがわかります。
いったい何故そんな動きをするのか?
その原因について考えてみると、どうやらトルクロッドというパーツの取り付け方に原因がありそうでした。
ということで、この記事では僕自身が考察したフロントブレーキをかけた時に74スプリンガーが沈みこまない理由を説明していきます!
この記事の内容
スプリンガーフォークの部位の説明
まずはスプリンガーフォークの部位の説明から
①リアレッグ
リアレッグはスプリンガーフォークのフレームにあたる部分です。
②フロントレッグ
フロントレッグはサスペンションの役割をしています。
これが上下に動くことによって道路の段差などによる振動をやわらげてくれます。
本来であればブレーキをかけた時にこの部分が沈み込むような動きをしなければいけません。
③トルクロッド
トルクロッドは、ブレーキキャリパーとバイクをつなぐ大事なパーツです。
これがないと、ブレーキをかけてもバイクは止まらずに、キャリパーがタイヤと一緒に回ってしまうことになります。
④ロッカーアーム
ロッカーアームは、フロントレッグ、リアレッグ、ホイールをつなぐパーツです。
リアレッグとの固定部分が支点になりフロントレッグが上下に動くことで、スプリンガーフォークがサスとして機能します。
原因はトルクロッドの取り付け方にあり
スプリンガーフォークの部位がどういう役割をしているか分かりましたか?
では、最初にお伝えしたスプリンガーのフロントレッグが沈み込まない原因について説明していきます。
この原因は、スプリンガーとブレーキキャリパーをつなぐトルクロッドの取り付け位置にありました。
このトルクロッドの固定位置がリアレッグの上にあるか下にあるかで、スプリンガーの動きにかなりの違いがでてきます。
トルクロッドが下に固定された場合
①フロントのブレーキをかけると、ブレーキパッドがディスクローターをはさみます。
このとき、ブレーキキャリパーはディスクローターと一緒に回転しようとします。
②ブレーキキャリパーがディスクローターと一緒に回転しようとすると、今度はトルクロッドが前に引っ張られて、リアレッグとの固定位置を支点に地面と平行になるような動きをします。
そうすると、トルクロッドとキャリパーの固定部分は下に押さえつけられるような感じになります。
③すると、その動きにつられてアクスル部分も下にいこうとします。
④アクスル部分が下がると、ロッカーアームがリアレッグとの固定位置を支点にして反時計回りに回転しようとします。
⑤結果、フロントレッグが下に引っ張られてスプリンガーフォークが沈み込まずに引っ張られるようになってしまいます。
固定位置が上の場合
①先ほどと同じく、ブレーキをかけるとキャリパーが前に引っ張られようとします。
②そうすると、こちらも先ほどと同じようにトルクロッドが前に引っ張られる力が働きます。
そしてリアレッグとの固定部分を支点に、地面と平行になろうとします。
ですが、今度は先ほどとは違いキャリパーとの固定部分は持ち上げられるような形となり上にいこうとします。
③それにつられてアクスル部分も上にいこうとします。
④アクスル部分が上にいこうとすると、ロッカーアームはリアレッグとの固定部分を支点に時計回りに動きます。
⑤その結果、フロントレッグは上に押し上げられてフォークが沈み込むという本来の動きをしてくれます。
まとめ
今回はスプリンガーフォークが沈み込まず、本来の動きをしない原因についてお伝えしました。
最初はこの原因がわかりませんでしたが、自分でスプリンガーの動きをじっくり考えてみると、
「そういうことか」
と納得できました。
なので、僕と同じような症状が出ている方はまずはリアレッグとトルクロッドを固定している位置を確認してみてください。
横から見た時にブレーキキャリパー側の固定位置の方が上にあるようでしたら、僕と同じ理由で症状が出ているのかもしれません。
ただ、この取り付け位置を単純に上の方にすればいいのかと言われると、今度はフォークが沈み込みすぎることもあり得ますのでそうとも言い切れません。
また、ネック角やキャリパーの取り付け位置によって適性の位置も変わってくると考えられます。
この問題を修正する場合には、きちんとスプリンガーフォークの事を熟知している専門の方にお願いすることをおすすめします。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。